条件別おすすめクレジットカード

個人事業主が法人カードを持つメリットとおすすめクレジットカード5選

個人事業主が事業で個人用クレジットカードを使っていると公私混同が起こりやすくなります。「経理処理をするとき、個人用と事業用の支払いを分けるのが面倒だ」と悩んでいる方も多いことでしょう。

そんなとき、事業用のクレジットカードを持てば経理処理が楽になり、ビジネスに役立つ多数の特典も利用できます。この記事では事業用カードを検討している個人事業主に向けて役立つ情報をまとめます。

自分にぴったりな事業用クレジットカードを選ぶための参考にしてください。

個人事業主でも法人カードを所有できる

結論からいうと、個人事業主でも個人事業主向けの法人カードなら作れます。そもそも、法人カードは2種類に分けられます。

  • 大企業や従業員が多い企業向けのカード
  • 中小企業や個人事業主向けのカード

前者を「コーポレートカード」、後者を「ビジネスカード」と呼んで区別するケースも少なくありません。個人事業主が所有できるカードは「ビジネスカード」になります。

個人事業主としてクレジットカードを作る場合、「屋号つきのクレジットカードを作りたい」と考える方もいると思います。屋号の扱いはカード事業者によっても変わりますが、屋号を刻印できる個人事業主向け法人カードも存在します。

法人カードと個人カードの違い

法人カードと個人カードの違いは、サービス内容が法人向けか個人向けかという点にあります。

主な違いは下記の通りです。

  1. ひも付ける口座の種類
  2. 追加カードの種類

個人カードがひも付けられる口座は個人口座のみですが、法人カードなら屋号つき口座や法人口座へのひも付けが可能です。

また、多くの個人カードでは家族カードを追加発行できますが、法人カードでは社員カードやETCカードを複数枚発行できるケースが一般的です。法人カードは個人カードよりも利用限度額が高く、ビジネス向け付帯サービスが充実しています。

ただし、年会費が無料のカードはほとんどなく、ポイント還元率も低めです。返済方法が一括払いのみで、リボルビング払い(リボ払い)やキャッシングが利用できないカードも少なくありません。

個人事業主が法人カードを持つメリット

ここからは、個人事業主が法人カードを持つメリットについて解説します。主なメリットは下記の3つです。

  1. 経理処理が楽になる
  2. 利用限度額が高い
  3. ビジネス向けの付帯サービスを利用できる

それぞれ詳しく見ていきましょう。

経理処理が楽になる

一番のメリットは経理処理が楽になることです。個人事業主が事業用決済に個人カードを使っていると、個人用決済と事業用決済の区別が難しくなります。本来計上すべきではない決済を経費にすると税務署から指摘を受けてしまう恐れがあります。

法人カードにオフィスの賃貸料や通信費、税金の支払いなどの経費をまとめれば一元管理が可能になり、透明性の高い経理処理が実現できます。freeeなどのクラウド型会計ソフトにひも付ければ、仕訳作業も自動的に完了します。

従業員関係の事務を効率化できる点も見逃せません。社員カードを発行して従業員に持たせれば経費の使用状況が把握しやすくなり、出張や備品購入の度に現金を用意したり面倒な仮払処理をしたりする必要がなくなります。

ATM手数料や振込手数料の削減にもつながります。

利用限度額が高い

個人カードに比べて、利用限度額が高いこともメリットです。法人カードがあれば仕入れなどで大金が必要になったときでも対応しやすくなり、ビジネスチャンスを逃しにくくなります。

支払いを先延ばしにできることでキャッシュフローに余裕が生まれ、資金繰りが楽になる点も魅力です。一例として「三井住友カード」の個人カードと個人事業主向け法人カードの利用限度額を比較してみましょう(2020年12月時点)。

個人カード・「三井住友カード」:利用限度額10万円~80万円

  • 「三井住友カード ゴールド」:利用限度額50万円~200万円
  • 「三井住友カード プラチナ」:利用限度額原則300万円~

個人事業主向け法人カード「三井住友ビジネスカードfor Owners」

  • クラシックカード:利用限度額10万円~150万円
  • ゴールドカード:利用限度額50万円~300万円
  • プラチナカード:利用限度額200万円~500万円

法人カードの利用限度額の方が高く設定されていることがわかります。

ビジネス向けの付帯サービスを利用できる

多種多様な付帯サービスが利用できる点も法人カードの大きな特長です。世界各地の空港ラウンジを無料で使える「プライオリティ・パス」や電話1本で各種サービスの予約をしてくれる「コンシェルジュデスク」が付帯する法人カードもあります。

海外・国内旅行傷害保険やショッピング保険が付帯するカードも多く、レストランやホテルで優待サービスが使えれば顧客の接待にも大いに役立ちます。

出張がそれほど多くない場合なら、「税理士や弁護士の支援サービスが受けられる」「クラウド型会計ソフトの月額料金がお得になる」などのビジネス支援サービスが付帯している法人カードが便利です。

付帯サービスの内容はカードの種類によって異なるため、内容をしっかり確認しておきましょう。

法人カードを選ぶポイント

さまざまな種類がある法人カード。「どんな点に注目して選べば良いの?」と迷う方もいるでしょう。特に個人事業主が知っておきたいポイントとして以下の6つが挙げられます。

  • 年会費
  • 審査の難易度
  • 利用可能限度額
  • ポイント還元率
  • 付帯サービス
  • ステータスの高さ

それぞれ詳しく解説します。

年会費

法人カードの年会費には幅があり、1,000円台で済むものから数十万円のものまでさまざまです。年会費が永年無料の法人カードも存在しますが、「一定の条件を満たせば翌年度無料になる」というケースがほとんどです。

年会費は経費に計上できますが、維持費が高すぎると事業の負担になる恐れが出てきます。付帯サービスの内容によっても年会費は変わってくるため、「安いほど良い」というわけではありません。

たとえば、通常4万円以上かかる「プライオリティ・パス」のプレステージ会員が付帯する法人カードを年会費2万円で使えれば、頻繁に海外出張をする方にとってはお得です。

法人カードに求めるメリットは人によって異なるため、費用対効果を考えて利用するクレジットカードを決めましょう。

審査の難易度

クレジットカード審査の難易度はカードによって異なり、基準は明らかにされていません。
法人カードの審査は一般的に個人カードよりも厳しいといわれており、特に開業したばかりで事業実績がない場合の難易度は高めです。

クレジットカードを持っていない方が独立して個人事業主になる場合は、安定した収入があるうちに個人カードを作っておくことをおすすめします。クレジットカードに申し込んだ事実や審査の結果は個人信用情報に記録として残る点に注意しましょう。

短期間に複数のクレジットカードに申し込んだり審査落ちを繰り返したりすると、審査の難易度がさらに上がります。審査に受かる見込みのあるカードに申し込むことも重要なポイントです。

利用可能限度額

ビジネスの利用では利用限度額が高いほど便利です。経費の支払いがまとめやすくなり、ポイントも貯まりやすくなります。開業当初は何かと資金がかかるため、利用限度額が高い法人カードを作っておくと安心です。

ただし、実際に利用可能な金額は、審査結果に応じて個別に決まります。個人事業主向けの法人カードではキャッシングが利用できる種類が増えています。キャッシング枠の金額は利用限度額に含まれ、使った分だけ利用可能限度額が減る点に注意が必要です。

ポイント還元率

ポイント還元率とは、利用金額に対して還元されるポイントの割合です。ポイント還元率が高いほど付与されるポイントが多くなります。

たとえば、100円の利用につき1ポイントが付与される法人カードで「1ポイント=1円」として使える場合ならポイント還元率は1%です。

一般的な個人カードのポイント還元率は0.5%程度といわれており、200万円利用した場合なら1万円分還元されます。ポイントの種類や使いみちはカードによって異なり、ほかのポイントやマイル、商品券などに交換できます。

クレジットカード選びでは還元率の高さも大切ですが、ポイントには有効期限が設定されているケースがある点にも注意しましょう。

ポイントが貯まっても使えなければ意味がないため、よく使うポイントが貯まるクレジットカードを作ることをおすすめします。上手に活用できれば経費削減に役立ちます。

付帯サービス

法人カードの付帯サービスは、カードの種類によって詳細が異なります。旅行やエンターテインメント関係の優待サービスが充実しているカードもあれば、税務代行サービスやシェアオフィスサービスなどのビジネス関連サービスがお得に使えるカードもあります。

サービスが充実しているほど年会費も高額になりやすいため、事業に活かせるかどうかという視点に立って法人カードを選びましょう。

ステータスの高さ

クレジットカードにはグレードがあります。通常、「一般カード」→「ゴールドカード」→「プラチナカード」→「ブラックカード」の順にグレードアップして付帯サービスも手厚くなります。

先に紹介した「プライオリティ・パス」や「コンシェルジュサービス」は一般的にプラチナ以上のカードに付帯するサービスです。

クレジットカード会社が認めた方だけが作れる招待カードも存在します。グレードの高いクレジットカードは信頼できる人物だという証拠になり、持っているだけで顧客の信頼を得やすくなります。

グレードが上がれば利用限度額も上がって利便性はアップするものの年会費も上がるため、グレードアップの必要性を見極めることもポイントのひとつです。

法人カードの審査のポイント

ここでは、法人カードの審査で特に注意したい2つのポイントについて解説します。

業績と設立年数が重要

クレジットカード事業者にとって、最も避けたい事態は貸し倒れです。法人カードは利用限度額が高いために審査は厳しめで、業績と設立年数が重視されます。

利用申請にあたり登記簿謄本や印鑑証明書、決算書などの書類提出が求められる場合が多く、設立年数が長いほど、また財務状況が良いほど有利です。ただし、審査基準はカードの種類によって異なり、創業直後の企業でも審査に通る可能性があります。

個人のクレジットヒストリーも影響する

クレジットヒストリーとは、個人信用情報に記録されたクレジットカードやローンなどの利用履歴です。個人事業主向けの法人カードでは、事業の実績よりも個人のクレジットヒストリーが重視されるケースが少なくありません。

過去に延滞や債務整理などの金融事故を起こしていて、クレジットヒストリーに記録が残っていると審査で不利になります。金融事故の記録は一定期間で削除されるため、不安がある方は申請前に開示請求をして確認しておくと安心です。

審査落ちを防ぐためのポイント

法人カードで審査落ちを防ぎたい方は、以下の3つのポイントを押さえておきましょう。

開業届を出す

開業届を出せば信用度が上がって審査に通りやすくなります。そもそも、厳密な意味での個人事業主とは開業届を出した人のことです。開業届を出せば、事業で得られる収入を事業所得として計上できるようになります。

開業届と同時に青色申告承認申請書を提出して複式簿記の帳簿をつけていれば、最大65万円の青色申告特別控除が利用できます。基礎控除の48万円を加算した103万円までは税金がかかりません。

さまざまなメリットが得られるため、独立したら開業届を出すことをおすすめします。

固定電話やホームページを設置する

固定電話や事業用ホームページを設置すると信用度が上がって審査に通る可能性が上がるといわれています。特に固定電話は個人情報を登録して物理的に引込線を住所地に引く必要があり、従来よりクレジットカード審査で重視されてきました。

とはいえ、電話加入権を購入すると安くはない費用がかかります。自宅に通信回線を引いている場合なら、光電話やIP電話を利用すれば低料金で固定電話と同様の番号が使えます。
審査落ちを防ぎたい場合は、利用を検討してみてはいかがでしょうか。

収入を証明できる書類を用意する

確定申告書など収入を証明できる書類を提出できれば、貸し倒れリスクが少ないと判断されて審査で有利になる可能性があります。

法人カードの申請で求められる書類はカード会社によって異なり、個人事業主向けの法人カードでは本人確認書類のみで申請できるケースも増えています。

キャッシング枠が使える場合でも申請しない方が審査に通りやすくなるケースは少なくありません。キャッシングの利用を申請すると収入証明書が必要になる場合があります。

個人事業主におすすめの法人カード5選

最後に、個人事業主におすすめの法人カードを5つ紹介します。どのクレジットカードも個人事業主が作りやすく、事業に役立つカードばかりです。自分に合った1枚をぜひ探してみてください。

アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カード

 

年会費34,100円(初年度無料)
利用限度額100万円~(一律の上限なし)
ポイント還元率最大1.0%
審査の難易度やや低め

国際ブランドの「アメリカン・エキスプレス」が提供する中小企業・個人事業主向けのビジネスカードです。アメックスといえば多くの人にとって憧れのクレジットカードですが、審査の難易度が飛び抜けて高いわけではありません。

旅行やエンターテインメント関係の付帯サービスが充実しているため、国内・海外出張が多い方におすすめです。マイル還元率が高く、マイルを貯めている方にも適しています。ビジネス用決済分は自由にリボ払いに変更できます。

三井住友ビジネスカード for Owners ゴールド

 

年会費11,000円(インターネット入会で初年度無料)
利用限度額50万円~100万円
ポイント還元率最大2.5%
審査の難易度低め

三井住友カードが提供する中小企業・個人事業主向けのビジネスゴールドカードです。
リボ払いや分割払いなどの返済方法が利用でき、0~50万円の範囲内でキャッシング枠も申請できます。

セキュリティの高いクレジットカードを持ちたい人におすすめします。
国際ブランドはVISAと Mastercardの2つ、グレードは一般カードとプラチナカードを含めた3種類です。

オリコ EX Gold for Biz S

 

年会費2,200円(初年度無料)
利用限度額10万円~300万円
ポイント還元率最大1.1%
審査の難易度低め

オリコが提供する個人事業主向けのビジネスカードです。年会費が手頃で、コストパフォーマンスにこだわりたい人におすすめです。

返済方法でリボ払いや分割払いなどが利用でき、キャッシングも申請できます。国際ブランドはVISAとMastercardです。

楽天ビジネスカード

 

年会費2,200円(楽天プレミアムカードの年会費11,000円)
利用限度額300万円
ポイント還元率最大5%
審査の難易度やや低め

楽天プレミアムカードの所有者のみが申し込めるビジネスカードです。
楽天プレミアムカードのグレードは一般的なプラチナカードに匹敵します。

法人の場合は法人名義の口座をひも付ける必要がありますが、個人事業主ではプレミアムカードにひも付けた口座とは別の個人用口座であれば利用可能です。

国際ブランドはVISAです。返済方法は一括払いのみで、キャッシング枠はありません。
楽天ポイントを貯めたい方におすすめします。

テックビズカード

 

年会費2,200円(初年度無料)
利用限度額10万円~300万円
ポイント還元率最大1.1%
審査の難易度低め

株式会社NKC ASIAが提供するITフリーランス向けのビジネスゴールドカードです。カード発行事業者はオリコ、国際ブランドはMastercardです。返済方法でリボ払いや分割払いなどが利用でき、キャッシングも申請できます。

会計ソフトやオフィススペースがお得に利用できるため、開業したての個人事業主におすすめです。

まとめ

多くの個人事業主にとって経理処理や確定申告の準備は大きな負担です。「伝票の整理や帳簿付けに追われて本来の業務に専念できない」という方もいるでしょう。

法人カードがあればバックオフィス業務が楽になります。経費の決済をまとめることでポイントも貯まりやすくなり、経費削減につながります。

ほとんどの法人カードで維持費がかかるため、付帯サービスの内容を吟味した上で作るクレジットカードを決めましょう。審査落ちのリスクを減らしたいなら、できる対策を講じてから申請する方が安心です。

法人カードを上手に活用して事業の効率化を図り、売上アップを目指しましょう。